司馬遼太郎 『俄』


最近、立ち上がると視界が徐々に暗くなっていって意識が遠のく感じがすることが多い。

たぶん貧血か何かだろう。

大したことはないと思うけれど、午後から健康診断があったので、ついでに貧血の検査をやってもらった。

体は資本ですからちゃんと管理しないとねー。



司馬遼太郎 『俄』


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061311018/249-9387289-3554755



体が資本、という話で思い出したのが、この本。


俄―浪華遊侠伝 (講談社文庫)

俄―浪華遊侠伝 (講談社文庫)

〈わいの生涯は一場の俄や……〉どづかれ屋から身を起した不死身の万吉は、“金こそ命”のド根性と勘で、侠客明石屋万吉となり、米相場破り、果ては幕末維新の騒乱に、親分から侍大将となり、場当り的に生き抜く。その怪ッ態な男の浮沈を、独得な史眼でとらえた異色の上方任侠一代。


という話。


主人公の侠客(ヤクザみたいなもの)万吉が、場当たり的ながらも覚悟を決めて物事に望んでいく男気あふれる痛快な一冊。

私は本を読むときは大体一週間くらいかけてゆっくり読むけれど、この本は確か単行本の厚さが3cm位あったのにもかかわらず、一日で読み終わってしまった。

それくらい勢いがあって面白い。


読んだのが多分2年くらい前だから、内容を事細かに覚えているわけではない。

でも司馬さんの本らしくない、物語調で、司馬さんが「ヤクザものの話は好きではないけれど、この万吉だけは別だ」みたいな事を、どこかの雑誌か何かでコメントしていたのを覚えている。

この本で司馬さんに出会って、その後何冊か読んだけれど、一番のお気に入りはやっぱり『俄』。



逆に、一番面白くなかったのが、『花神』。

面白くなさ過ぎてよーーーく覚えている。


花神(上) (新潮文庫)

花神(上) (新潮文庫)

↑これは上巻


主人公は幕末の医者、後討幕軍の総司令官になった大村益次郎なんだけれども、この人の人生の経歴は面白いんだけれど、その人自体にイマイチ魅力がなくて、上・中・下巻読むのに半年近くかかった。

しかも、やっとの思いで読み終えて、最後の解説を読んでいたら、司馬さん自身が「この本は面白くない」とかいうコメントを載せていて、思わず「面白く書いてよ!!」と思ってしまったほどだ。


とにもかくにも『俄』はオススメ。

スカッとするから読んでみてーな。