月とアルマジロ


今月の群像に、あの村上春樹殿を輩出した(?)群像新人賞受賞作品第一作が掲載されていた。


タイトルが『月とアルマジロ、著者は樋口直哉さん。


働かず、"世間的に見ればいささかなさけない状況"にある"ぼく"が預かったアルマジロ


その日から携帯は圏外になり、そして現れる"昼間の月"。


この話は、多分もう一回位読まないと上手く説明できないかな。


(じゃあ書くなよとか突っ込まないように!)


とにかく「要素」が多い。

その要素が、複雑に絡んだ感じの話。


「要素」は、アルマジロ・圏外・カラス・昼間の月・現実・孤独・親ってとこかな?


よくここまで詰め込んだなーというのも正直な印象。

だからこそ次回作に期待大。


作風は不思議な世界と現実とが上手く混ざっていて、ぼやけた中にもリアリティがある。



多分、村上春樹が好きな人は好き。

村上龍が好きな人は好きじゃない。多分ね。


そうそう、昼間の月ってさっきから何回も書いているけど、物語中には言葉そのものはあんまり出てこない。

でもその意味するところや響きなんかがとても気に入ったので、ここではしつこく書いてます。



私がこの話の中で一番気に入ったもの。

"そんなこと?"とか言われそうだが、とにかく、文章中に""の進化と意味について書かれていたこと。


私、傘がとても嫌いです


頭ぬらさず靴グチャグチャ。


21世紀の今、岩手県遠野に伝わる河童が蓮の葉で雨風しのいでるのとなんら大差ない文明の進化からよほど取り残された"傘"という化石


嫌いだよ・・・


足元ぬれたら意味ないじゃん。


だから、雨の日のうち半分は傘さしてません


私、この作者と"傘の意味性"みたいなもんについて一晩かけて語り明かしたいよ。


どっか道歩いてたらばったり・・・とか・・・

・・・ないな。